あゆみより

今日食べたもの、観た映画、飲んだ酒、読んだ本、考えたこと。

【ビール】【食べる】タルマーリー

「ビール飲み放題&パン」という最高の組合せを堪能すべく、

初のスーパーはくと鳥取の智頭町へ。

ビールやパン、スコーンは時折イベントで買ったりするけれど、

工房の訪問は約1年ぶり。

 

久々に自動改札のない駅に降り立ち、送迎車で店に到着。

早速ぐいっと一杯頂きたい衝動にうずうずしていたが、

まずはタールマーリーのものづくりの思想・方法・現場の案内を受ける。

 

タールマーリーのものづくり、その主役は何と言っても

多種多様な麹・菌・カビたちである。そしてそれらが醸し出す豊かさは、

現代の日本ではなかなか得られないどころか、

除菌・殺菌という文脈の中で忌み嫌われてさえいる。

 

そんなお話を聞き、こだわりのビールやパン・ピザを充分堪能しましたよ、

というグルメ日記にまとめ上げたかった。(本当に美味しかった。)

が、私の心中は当初の期待とは裏腹に終始モヤモヤしていたので、

それをメモしておきたい。

 

1. 時間は誰のもの

「ものづくりは手間暇かけたほうが楽だ」という。

一見矛盾するようだが確かにそうである。

 

労働の現場では、1秒でも早くものが仕上がれば、

その浮いた時間は決して自由になれる訳ではなく、

また次の労働作業が待っている。

 

 

少ない時間でより多くのものを生産することが価値である。

 

そうやって、みんなで、急かしあっている。

私はここにはいない誰かにお尻を叩かれている。

同時に、私はここにはいない誰かの首を絞めている。

 

 

それがきちんと果たされた時、対価が支払われる。

でも、そんなに急いで、ものを作って、作らせて、

誰がそんなに急いでいるの?そう思うことがしばしばある。

 

その感覚をこの資本主義社会に持ち込んではいけないのだろうか。

例え周りにダメと言われても、この感覚を隠し持って、

ちょっとしたスパイのような気持ちで働きたいと思う。

 

2. 信者たち

でもなんだろう、このモヤモヤは。

飲み放題タイムの時間、ビールを味わい尽くす我々の後ろで、

オーナーさんに熱心に質問攻めし、著書にサインを求める客たち。

 

確かに、タルマーリーの思い・考えは概ね理解できる。

でも、どんなに正しくても、それが全てだと言わんばかりに

一人の人・組織を教祖のように祭り上げるのは、なんとも違和感のある光景である。

強いて突き詰めるなら、それは、オーナーさんの言う「多様性を受け入れること」に

反することに繋がってゆくのではないか。そんな気がする。

 

でも、そんな一切合切抜きに、お土産のビールとパンはこの鼻と舌で確と味わいたい。